「有機肥料と化成肥料、結局どっちがいいの?」
農業を始めたばかりの方や家庭菜園をされている方から、よく聞かれる質問です。
わたし自身も最初は迷いました。
早く大きく育つと聞く化成肥料。
自然に優しそうな有機肥料。
調べれば調べるほど、正解がわからなくなっていったのを覚えています。
そんな中で「化成肥料は野菜を育てる。有機肥料は土を育てる」
という言葉でした。
farm toukoでは現在、有機栽培を実践しています。
それは「化学肥料が悪いから」ではありません。
実際に使って、見て、感じてきた中で、今の畑、そして farm toukoとしての農業への向き合い方が有機栽培に合っているからと思ったからです。
この記事では、有機肥料と化成肥料それぞれのメリット・デメリットを整理しながら、どんな考え方で選べばいいのかを、現場目線でお話しします。
化成肥料とは?特徴と基本的な考え方
化成肥料は、窒素・リン酸・カリウムなどの栄養成分を、植物がすぐ吸収できる形で配合した肥料です。
化成肥料のメリット
1番のメリットは、即効性。
施肥すると、野菜がすぐ反応して生育が進みます。
- 成分量が安定している
- 効果がわかりやすい
- 計画通りに育てやすい
そのため、短期間で結果を出したい場合や、生育をコントロールしたい場面ではとても便利です。
化成肥料のデメリット
一方で、使っていて感じやすいのが
- 効きすぎると生育が乱れやすい
- 土の状態が見えにくくなる
- 継続使用で土が痩せやすい
という点です。
化成肥料は、あくまで「野菜に直接栄養を与える」肥料。
土そのものを良くする力はあまりないように感じます。
このことから
「化成肥料は野菜を育てる」と言われるのだと思います。
有機肥料とは?特徴と考え方
有機肥料は、植物由来の有機物を原料とした肥料です。
代表的なものに、対比、油かす、魚粉などがあります。
有機肥料のメリット
有機肥料の最大の特徴は、土の中の微生物を育てること。
- 微生物の働きで土がふかふかになる
- 土壌環境が安定しやすい
- 年々、畑が育っていく感覚がある
有機肥料は、すぐに野菜の栄養になるわけではありません。
まず、微生物が分解し、その過程で土が整い、結果として野菜が元気に育ちます。
この流れから
「有機肥料は土を育てる」
と言われているのでしょう。
有機肥料のデメリット
もちろん有機肥料にも注意点はあります。
- 効き方がゆっくり
- 天候や土の状態で効果が変わる
- 入れすぎると分解不良を起こすことも
使いこなすには、畑をよく観察する目が必要になるということですね。
farm toukoが有機肥料を選んでいる理由
farm toukoでは、今は有機肥料を中心に栽培しています。
でも、ここに至るまではさまざまな葛藤がありました。
兼業農家の我が家。
嫁いできた時は、主に義祖父母が農作業を担っていました。
その後、義父母への代変わりを経て、現在はわたしたち夫婦が野菜や米を作っているわけなのですが……
それまでは手伝い程度での関わり方だった農業。
義父の突然の死去。そして義母の病気。
何の準備も、心構えもなくいきなり田畑を任されることになってしまったのです。
そこからは周りの農家さんに助けられながら、何とか米作りだけは続けてきました。
でも最初の1〜2年は野菜に栽培にまったく手がつけられず、畑は放置状態。
知識としてあるのは慣行栽培でした。周りの農家さんもほとんどがそうでした。
でも、いろいろ勉強をしてみて、わたしは有機栽培にチャレンジしようと決心したのでした。
理由はとてもシンプルです。
- 長く畑を使いたい
- 土の状態を毎年良くしていきたい
- 野菜本来の味を大切にしたい
まだ初めて2年ほどですが、有機肥料を使っていると
「今年の土、去年よりやわらかいな」
「水はけが良くなった気がする」
となんとなく畑が変化してきたような……
即効性はありませんが、土が育つと、野菜も無理なく育つ。
この感覚が、 farm toukoに合っているのだと思うのです。
有機肥料と化成肥料、どちらが正解?
正直にいうと
どちらかが絶対に正解、ということはありません。
- 短期収穫を重視するなら化成肥料
- 長期的に畑を育てたいなら有機肥料
大切なのは
「そう育てたいか」
「どんな畑にしたいか」
わたしもそうですが、最初から完璧を目指さなくても大丈夫。
- 範囲を決めて試してみる
- 土の変化を観察する
- 自分の畑に合う方法を探す
それで十分だと思うのです。


まとめ:肥料選びは畑との対話
有機肥料も化成肥料も、それぞれ役割があります。
farm toukoでは「野菜を育てる前に、土を育てたい」
そんな思いから有機栽培を選びました。
でも一番大切なのは、自分の畑をよくみること。
土の匂い、手触り、野菜の表情。
それらを感じながら選ぶ肥料はきっとあなたの畑のとっての正解に近づいています。
畑作りも、暮らしも、少しづつ、無理なく育てていきましょう。


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